労働保険

退職時の年齢で雇用保険の支給額が違う!?

給与明細を見ると雇用保険料が引かれてますよね。普段はあまり気にすることがないかもしれませんが、雇用保険は会社を辞めた時の強い味方です。

雇用保険の被保険者(加入者のことです)が受給資格を満たして会社を辞めると雇用保険から失業給付をもらえます。

再就職するにせよ、求職活動後にやっぱり引退することにせよ、もらえるお金は多いに越したことはありません。

失業等給付で真っ先に思い浮かべるのは、おそらく失業手当(雇用保険での呼び方は基本手当です)だと思います。この失業手当をもらうには条件があります。

その条件とは、会社を辞めた時に雇用保険の一般被保険者であったことです。

雇用保険の被保険者には①一般被保険者、②短期雇用特例被保険者、③日雇労働被保険者、④高年齢被保険者の4つの種類があります。

①〜③は雇用形態による被保険者種類、④は年齢の被保険者種類で、65歳以上の被保険者が失業をした時に適用されます。継続して会社勤めをしている方のほとんどは①か④になるでしょう。

簡単にいうと、①は普通の会社員、④は65歳以上の会社員です。

失業給付の種類

失業給付にはいくつか種類がありますが、ここでは①一般被保険者と④高年齢被保険者が仕事を辞めて失業した時に給付される求職者給付について、給付内容を紹介します。※②と③は割愛します。

①一般被保険者に給付される給付の代表的なものが失業手当です。

失業手当の1日あたりの支給額は、会社を辞めた時の過去半年間の1日あたりの賃金額(以下、賃金日額)に80%〜45%の給付率を乗じた額です。

給付率は退職時の年齢によって決まります。60歳未満なら80%〜50%、60歳以上65歳未満なら80%〜45%です。

また賃金日額にも上限があり年齢によって異なります。30歳未満が一番低く、45歳以上60歳未満が一番高額です。

一般被保険者でも60歳未満で退職した方が、給付額が多くなる可能性が高いですね。

失業手当の支給日数は、失業の理由と年齢によって90日〜330日(障害等で就職が困難な方は150日〜360日)です。

60歳未満の会社員が失業すると

賃金日額(上限下限あり)×50〜80%×90〜330日分の手当てがもらえます。

つづいて④高年齢被保険者です。

一般被保険者の失業給付にあたるのが、高年齢求職者給付です。

高年齢求職者給付は失業している日毎に支給されるのではなく、一時金としてまとまったお金が支給されます。高齢者の就業は、短時間就労や被雇用での就労を希望する方も多く、失業した日ごとに支払うより一時金で支払う方が実態に即しているという考えのようです。

実際の支給額はどうでしょうか?

1日あたりの支給額は賃金日額に給付率80〜50%をかけます。給付率は60歳未満の一般被保険者と同様です。

支給額の計算に使う賃金日額は失業給付の年齢による上限額のうち、もっとも定額の30歳未満の額を適用します。

1日あたりの賃金額の上限は、一般被保険者に比べて3,000円ほど低い額です。

さらに支給日数は最高で50日です!

65歳になってから失業すると

賃金日額×50〜80%×50日分の手当です。

賃金日額も上限が一般被保険者より低いですので、もらえる額は大分差が出そうですね。

人生100年時代ですから、65歳以上になっても働く人が多くなっていくかもしれません。

ベストな会社の辞め時は人それぞれでしょうから一概に何がいいとは言えないですが、少しだけお金や社会保険の知識を持っているとお得な選択ができるかもしれませんね。