みなさん、病気や怪我の補償のために保険会社の保険に加入していますか?私は加入していたんですが実際に入院したことがきっかけで解約しました。
解約する前は生命保険、医療保険、がん保険、都道府県民共済、養老保険、会社のライフサポート(所得補償保険)に加入していて、月々の保険料の合計は約50,000円。ということは年間60万円も保険に使っていました。
どうりで生活が厳しい(笑)
生命保険と養老保険は60歳で払い込み満期。今解約すると元本割れしますのでそのまま残しますが、残りの保険は解約します。
解約のきっかけは、心房細動という病気になり緊急入院させられて心臓のアブレーション手術をしたことです。「入院して保険金がはいるのに解約するってどういうこと?」って思われたかもしれません。
はたして保険会社の医療保険があって安心だったのか、健康保険だけで大丈夫だったのか、実体験をふまえ解説します。
保険会社の医療保険からいくら支払われたか
保険会社の生命保険や医療保険に入っている方は多いかと思います。いざ病気になった時に安心?ですよね。私の加入していた医療保険では病気や怪我で入院すると保険金として1日あたり7,500円が支払われます。都道府県民共済からは1日あたり4,500円の支払いでしたので保険金の合計は12,000円です。
今回のアブレーション手術では4日間入院しましたので保険会社と共済から合計48,000円の保険金が支払われました。
この30年間で入院したのは今回の手術1回だけでした。健康でよかったですが、私の場合、今回の手術で「保険に入っていてよかった」と思える保険金額ではありませんでした。アブレーション手術の手術費用は約1,200,000円ほどかかりましたが、支払われた保険金は入院時の保険金48,000円のみ。保険金は食事療養費と差額ベッド代で無くなりました。はたしてこれで安心なのか?
一方で保険料はというと、医療保険が月々10,000円、共済が2,000円でしたので、年間144,000円の保険料を支払っています。30年保険料を支払っていますので、トータル4,320,000円支払っていたことになります。
健康保険には高額療養費制度がある
さて、日本は国民皆保険制度ですので日本で生活している人は全員なんらかの健康保険に加入しなければいけません。
健康保険では現在6歳から70歳未満の方の医療費負担は3割です。保険適用の手術費用が1,200,000万円だと、通常なら360,000円の費用負担が必要です。
ですが、実際に私が病院で支払ったお金は174,000円ほど。さらに後から141,000円ほどの還付があって実際には33,000円の支払いになりました。
なぜこんなに安くなったかというと、健康保険には高額療養費制度があるからなんです。
高額療養費とは、簡単にいうと治療費が高額になった場合に所得に応じて病院に支払う金額の上限を決めている制度です。上限を超えた費用は健康保険が支払ってくれるというわけです。正直こんな制度があるってこと社会保険労務士の資格勉強をするまで知りませんでした。
実際支払う療養費は、所得が53万円以上83万円未満の場合、167,400円+(医療費−558,000)×1%が上限金額です。手術料1,200,000円をこの計算式に当てはめると、
167,400円+(1,200,000−558,000円)×1%ですから個人の支払い額は173,820円です。
私は所得が53万円以上の区分でしたが、所得区分が28万円から53万円未満の方なら医療費の支払い限度額は80,100円+(医療費−267,000円)です。
所得区分は標準報酬月額で決定されます。標準報酬月額は保険料の算定にも使われるもので、4月から6月からの平均給与を基準にして「標準報酬月額等級表」に当てはめて決定されるのですが、ざっくり平均給与だと思って差し支えないかと思います。
さらに私の所属している健康保険組合は手当が厚く高額療養費に加え組合独自の付加給付が支給されて、最終的な支払い額が33,000円になりました。この付加給付は健康保険組合や健康保険協会によって変わりますので給付金額はまちまちです。残念なことに国民健康保険にはこの付加給付の制度がありませんのでサラリーマンの特権です。
退院したけど自宅療養で仕事に行けない
4日の入院期間を経て退院したんですが、すぐに会社に復帰できず3日ほど有給休暇を取得しました。アブレーション手術は心臓の組織をレーザーで焼き切る施術方法ですので、しばらくは手術する前より苦しかったです。
私は3日の有給休暇ですみましたが、もっと長い療養が必要な方もいることと思います。療養期間が長期になり有給休暇を使い切るといよいよ給与に影響してきます。会社はノーワークノーペイが原則ですから欠勤部分に給与を支払ってくれません。
けど安心してください。健康保険はこんな時のことも考えてくれています。病気や怪我で仕事ができなくなっても急に生活が困窮することが無いように「傷病手当金」が用意されています。
傷病手当金
傷病手当金とは、療養のため仕事ができないときに健康保険組合や協会、国民健康保険が会社に代わって給与の3分の2を保証する制度です。仕事ができなくなった日から連続して3日間が経過した日から最長1年6ヶ月間支払われます。
傷病手当金の額は直近の継続した12ヶ月間の標準報酬月額を平均した額を30で割って1日あたりの金額にします。その金額の3分の2を休んでいる日数分支給します。
以前は支払い開始日から1年6ヶ月が経過すると、例え3ヶ月しか傷病手当金が支給されていなくても支給期間が終了していました。令和4年1月から改正されて、支給開始日から通算して1年6ヶ月間の支給期間になりました。さらに安心になりましたね。
さいごに
いかがですか。日本の健康保険はよくできていると思いませんか。通院や入院以外に歯医者でも保険が適用されます。以上が私が保険会社の保険を解約しようと思った理由です。
とはいえ、民間保険の良さを実感されている方もいらっしゃると思いますので、手放しで保険会社の解約を勧める話ではありません。実際、保険会社の保険で助かっている方も沢山いらっしゃいることでしょう。
私の場合は過度な保険に加入していたことと、実体験に基づいて感じたこと、社会保険労務士の資格やファイナンシャルプランナーの資格を取得したことが保険を見直すきっかけとなりました。高額療養費制度なんて知りませんでしたし。
今回の見直しをきっかけに保険を解約したお金でジムに行ったりタバコやお酒を控えたり、病気にならないための予防にお金を使うことの方が大切だと考えるようになりました。健康維持は楽しい将来を迎えるためにも必要ですし、家計の節約にもなりますしね。いつまでも元気でいたいものです。